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雑記、最近萌えたことについての文と、主に三次創作(二次創作物を元に書いた文)を置いていくブログです。
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雪城ほのか 誕生日 おめでとうっ!!

昨年のほの誕話1の続きをUPですよ!
文字数2411

今まで食べたどのイチゴショートよりも美味しい
ほのかのバースディケーキを御馳走になった後、
わたしはさなえおばぁちゃんの淹れてくださった煎茶をいただいて一息ついた。

特別だよと見せてもらったアルバムは、愛くるしい幼いほのかが一杯で
恥ずかしがるほのかをなだめながら、ゆるゆるな表情で説明を添える両親を見れば
どんなに大切に育てられたかよくわかる。
わたしの知らないほのかをたくさん聞けて、大満足しちゃった。
小っちゃい頃から好奇心の強い子だったみたい。
もっと早くわたし達が出会っていたなら、どうなっていたんだろう…って考えちゃう。
仲良くなれたのかな?
きっとそうだ、と今なら思える!

昨年の誕生日の記念写真に到達すると
「大事な事を忘れてたよ。いけないいけない!」
呟き、
「渡したい物があるんだ…」
真剣な面持ちのほのかのお父さんが言う。
崩していた足をシャンと正してわたしは座り直した。
「なぎささん、これをもらってくれるかい?」
大きな手の平には小さなジュエリーボックスが乗っていた。
両手で差し出されたそれは、どう見ても只ならぬフインキを漂わせている。
「え? あの、わたしにですか?」
とっさに問い直してしまった。
ほのかを見ても、ほのかのお母さんを見てもニコニコするばかり…。
話は聞いているのかな?
「………。」
正直、思ってもいなかったことだし、プレゼントしてもプレゼントされることは想定外。
「そんなかしこまる必要は何にもないよ」
柔和な笑みでわたしを安心させようと気遣いを感じる。
「そうですよ。受け取ってもらえないと困ってしまうのだけど…」
ほのかのお母さんも笑顔で続ける。
そっと出した手にちょこんと乗せらたその小箱は、思いのほか重く感じられた。
「開けてごらん。」
促されて、目にしたそれは眩しくて、堪らず閉じてしまうほど。
「えぇ~~~??!! こんな高価な物、いただけません!!」
誕生石が埋め込まれたピンクゴールドの指輪だった!!
わたしの気持ちが、今一度試されている気がする。
「これはね、ほのかにあげた誕生日プレゼント。ほのかのと対になるペアリングなんだよ」
「ほのかも17歳だし、指輪の一つ持っていていい年頃だろう。」
「あげたいと探していた時にキミのことを思い出して、二人に贈ろうと用意したんだ。」
「ほのかとキミとの変わらない友情を願ってね。」
目を細め。お釈迦様と間違えそうな暖かい瞳のまま
「月と太陽をモチーフにした、二つで一組。どちらが欠けても意味がない品だよ」
「こちらの一方的な気持ちが籠って、やっぱり重かったかい?」
「ぜひ、キミに受け取ってもらいたいんだけど。」
ほのかを抱きしめる時と変わらない、慈しみに満ちた微笑みのほのか父。
無理強いなんかじゃもちろんなくって、それどころか嬉し泣きしちゃいそうな光栄な事。
必ずほのかを幸福にします!って、約束したのは本気の本気。
――それでも、たじろいでしまうのは、いくらする指輪なのか想像も付かないから。
一年分のお小遣いでも足りないんじゃないのかなぁ…。
口の中が乾く。手の平に汗が滲む。
「………。」
「なぎさのしたいようにして、いいのよ」
「私はなぎさを責めたりしないし、お父さんもお母さんもきっとそう…」
ほのか――…。
ほのかにこんなこと言わせちゃダメじゃない!
ウジウジ考え込むのはわたしらしくない。
返事は初めっから決まっているんだしッ!!
「…本当に 戴いて、いいんですか?」
手の中の箱を握り締める。
「ああ いいとも。」
「一目見た時から、2人に必ず似合うって長年の勘が告げた物なんだからね。」
「ある意味、ふたりの為にある指輪だよ。――…と言っては言い過ぎかな?」
少年みたいに照れ笑う。
「本当に 本当にありがとうございます!」
「大切にします。」
決意を込めた眼差しで一字一句噛み締め発音し、頭を下げる。
じわじわと目頭が熱くなる。
「感謝するのはこちらの方さ…」
「ありがとう。なぎささん」
胸に沁みるよ。
ほのかが涙を拭ってくれる。
「えへへへ…」
次の言葉が出てこない…。
「さ、通してみて…」
「合わないといけないし、ね。」
ほのかのお母さんが優しく声をかける。
「え~と… どの指に通したらいいんでしょう?」
この場合、どの指が適切なんだろう…?
「中指でも薬指でも、好きな指でいいんじゃないかな?」
小首を傾げるわたしにさりげなく告げる、ほのかのお父さん。
「………。」
やっぱり左手? ほのかの指に合わせたのなら、入らなかったりして…。
それは格好悪いなぁ。
「見て なぎさv」
「――ッ!!」
陶磁器のように白い手に光る指輪。
迷うことなく左手薬指にはめ、天使の笑みをふりまくほのか。
わた、わたしも薬指にするべきなの??
 ドキドキドキ…
緊張して爪を立てないように慎重に指輪を取り出す。
「なぎさ、手を出してv」
「あ、うん…。はい。」
ほのかの前に出した手を取り、サッとわたしのもらった指輪を拾い上げる。
それは驚くくらいスムーズに、自分の居場所であったかのようにわたしの薬指に納まった。
自分の左手と並べ、
「とっても素敵ねv」
「うふふ 婚約指輪みたいvv」
「お父さん お母さん ありがとうございます」
見た人を幸せにしてしまう笑顔で、声を弾ませる。
「ほら、なぎさ見てみてv 一つより二つの方が惹き立て合うわ♪」
「私達、もう離れられないわね」
「なぎさによく似合っていて、私、感動しちゃった」
この最高の笑顔とこの上ない幸せをわたしはきっと忘れることがないと思う。
 『わたし ほのかが大好き。』
揺るがない気持ちを胸に、手に手を取って生きていきたい。
 『ほのか 愛してる』
この場で口にしてはまだいけない気がして――
「ほのかぁ たんじょうびおめでとうッ! これからもずぅ~~っとよろしくねvv」
精一杯の気持ちを込めて、笑顔でわたしは伝える。
「ありがとう なぎさv 一生離さないんだからvv」
今日一番の煌めく笑顔に

ギュッv

とためらいなく、わたしはほのかを抱き締めていた。
 

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