雪城ほのか 誕生日 おめでとうっ!!
お酒の飲める20歳になったのかもしれないし、
高校生で16歳かもしれません。
もしかすると、まだ中学生の可能性も無くはないです。
それはやっぱり、人それぞれの受け取り方なのでしょうね…。
今日はなぎさと一緒に一日を過ごしたのだろうと疑っていません。
いつまでも、ラブラブな二人でいて欲しいな。
そんなほのかの誕生日話です。
文字数1587
タコカフェでほのかの誕生日を祝った後、ほのかの家の前まで来たわたし達。
一緒に来て欲しいの――…と言われて、やってきた来たのだけど…。
「本当にわたし、行ってもいいの? せっかく家族水入らずなのに…」
わたしは素直な疑問を言葉にする。
「うん。だからこそ、なぎさに来て欲しいのよ。
もっとなぎさのこと、お母さんとお父さんに知って欲しいって思うもの。」
落ち着いた様子で言葉を紡ぐほのか。
「う~ん…、でも、緊張するなぁ~。」
「なんて言うのかな…。『娘さんをボクにくださいっ!』
って挨拶しに行くみたいでさ…。」
「ようやく私をお嫁さんにもらってくれる決心がついたのね? 嬉しいなv」
おどけた調子で言うけれど、満面の笑みだし、冗談に聞こえないよ…。
「あ、いや、そうじゃなくって…。例え、だってば!!」
「うふふ…v わかってるわv」
クスリと微笑む。
本当かなぁ…。
「大丈夫よ! なぎさはいつも通りで。そんなに構える必要なんてないわよ。」
「…そう、かな?」
「そうよ!
きっとお父さんもお母さんも、ありのままのなぎさを受け入れてくれると思うわ。」
「うん。だといいけど…」
それでも不安は拭えない。
「ほらほら! 私のお祝いの日なのよ。暗い顔しちゃ駄目よ」
「………。」
ぐらぐらと心の天秤が揺れる。
一緒にお祝いしたい!それは本心だし、そのつもりでここまで来た。
でも、例年身内だけの食事の席にわたしなんかがお邪魔してもいいのかな?
「あのさ…」
「何?」
小首を傾げるほのか。
「や、やっぱり… その、今日は止めておくよ…」
心が決まらずに逃げを選んでしまう。
うん。その方がきっといい。
すっ――と踵を返し、ほのかに背を向ける。
踏み出そうとした足が地につく前に
「行かないでっ!」
手を掴まれ、泣きそうな声で呼び止められた。
いつになく強い口調。悲しみの色が濃く、胸に突き刺さる。
「――っ!!」
動けない。動けるわけがない。
「なぎさのこと、私の大切な人だって、まだちゃんと紹介できてない。」
「次の機会がいつになるかわからないのよ。
なぎさは隣りに居てくれるだけでいいから…」
ほのかの手にグッと力が入る。
「………」
わたしの心はほのかに見透かされているに違いない。
「ほんとに平気だから。ねっ!」
念を押す。
「…でも」
まだ弱気なわたしを察し
「――…?」
手が解けると
ギュッ。
背中から抱き締められた。
ほのかの温かさが感じられる。
優しさも 決意も ほのか自身の不安な気持ちも
触れ合うことで押し寄せてくるよう――
「おねがい。」
囁く言葉が震えている。
その一言に凝縮された想い。
「………。」
ほのかだって緊張してる…。
不安なのも当然。
それでも、わたしを。わたしのことをきちんと紹介しようとしている。
情けないな… わたしは。
こんなに大切に想ってくれているのに…。
わたしはほのかが好き。大好き。
ほのかにはやっぱり笑顔でいて欲しい。
ほのかの笑顔はわたしが作るんだ! そんなわたしでありたい。
なのに――悲しませちゃいけないッ。
まったく、何をしてるんだよ。まったく!
「――わかったよ。ほのか。弱気になってゴメン…」
「なぎさv」
声色が明るくなる。
「ほのかが大好きな人に、わたしも好きになってもらえたら素敵だよね」
「うん。」
「それに思ったんだ。
わたしもほのかのお父さんやお母さんを好きになる機会でもあるんだよね」
「その通りよ!」
心が軽くなってきた。
「よぉ~し! わたし、がんばっちゃうよ!!」
口にすると、なんだかとってもやる気が湧いて来たぞ!
「ありがとう。なぎさv」
「わたしの方こそ、ありがとう ほのかv」
今なら『ほのか、大好きだーー!!』って叫べそう。そんな気がする!
異変を感じ取ってか
「…でも、肩の力を抜いてね」
シッカリと釘を刺すほのか。
「うん。」
くるり正面に回りこんで来ると手を取り
「大丈夫。何も心配いらないんだからv」
微笑むほのかは天使みたいだった。
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いつも通りです(笑)。
これからが大事。
本題はこの先なのは御想像の通りですよ。
書いては削って、まるで進まないまま当日でした。
この先まで載せられると良かったのですが区切りがいいのでとりあえずココまで。