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雑記、最近萌えたことについての文と、主に三次創作(二次創作物を元に書いた文)を置いていくブログです。
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日本でもそれなりに馴染んできたハロウィン話をUPです。
なるべく、イベントや記念日に合わせて話を上げれたらと思うものの
書き出すのが遅ければそれだけ苦しいわけで、ギリギリでした。

ぼんやり考えていたのは昨年だったと思います。
文にしたのは今年。
ブログの為に書き下ろし。

いつもの『なぎさ』と「ほのか」の話とはちょっと違うかも?
文字数2790 



「ほ~のかっ♪ トリック オア トリート!」

放課後の教室。
帰り支度のほのかに、笑顔で声をかけるなぎさ。

「――?!」

驚いたのはほんの一瞬。

「ハロウィン…ね!」
「ケルト人の1年の終りは10月31日で、その夜は死者の霊が家族を訪ねたり、
 精霊や魔女が出てくると信じられていたのよね。」
「日本で言う、お盆に近い行事かしら…」
「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!っていう意味の
 Trick or Treat!はすっかり有名ね。」

いつもの調子で薀蓄を披露する。

「そうそう! だから、トリック オア トリート!」
「はい。チョコレートクッキー。」

鞄から包装された小箱を取り出してなぎさに手渡す。

「えぇっ! なんで?!」

目を丸くしつつ受け取る。

「なぎさの考えることはお見通しよv」
「昨日、きっと言うだろうなぁって思って、焼いておいたのよvv」
「ありがとう。ほのかv」

「じゃあ、私からも Trick or treat!」
「えっ? え~と… じゃあこれで…」

もらった包みをおずおずと差し出す。

「ダメよ! それは私がなぎさにあげたんだもの。」
「う~ そんなこと言われても用意なんてしてないよ~」
「トリックに決まりね♪」
「――ッ!!?」
「ちょっと待ってよ… ほのかぁ!」

嬉々として、にじり寄るほのかにたじろぐなぎさ。

「待 た な いっv うふふv」

スルリとブラウスの中に手を潜り込ませ、細かく指先を動かして脇腹をくすぐる。

「こちょこちょv」
「あははははっ!」
「こちょこちょこちょv」
「あははは! ごめん ごめんなさい! あはははっ!」
「うふふ♪ だ~めv」

ほのかの巧みな指使い。それに成す術なく、涙まで浮かべて笑うなぎさ。

「あはははっ! ははははぁっ! もうっ あはっ もう、カンベンして~…」
「なぎさの弱い所は、み~んな知ってるんだからvv」
「あはは あははははっ! だ、だめっ… あははははっ! 
 おねがい やめ… はははははっ!!」

壁まで追い詰められ、身をよじって耐えてたなぎさ。
ほのかの手が止まると、ペタリとその場に座り込む。

「はぁっ はぁ… はぁぁ~…」

呼吸も荒く、ぐったりとして肩で息をする。
笑うということでも体力消耗するものだと、初めて知る。

「はぁ… はぁぁ…」
「知ってる? なぎさ」
「なにを?」
「くすぐられてムズムズしてしまう場所は、それだけ敏感なトコロってことなの。」
「えっ? それって どういう――」

指先でつぅ~っと肋骨の下をなぞられ、

「――はぁうっ?!」

自分でもビックリしてしまう声を上げるなぎさ。
今度は優しく、慈しむような手つきで触れ、撫でさするほのか。

「あ はぁ… ふぅん…」 

先程とは全く違う感覚がおとずれ、吐息が漏れてしまう…。
そんななぎさの反応を見て、
右手をお腹に移動させ、左手はスカートの中――フトモモの内側へ滑り込ませる。

「ほ、ほのかぁ?!」

戸惑いの声は聞こえないフリ。そのまま続ける。
ゆっくりと強弱をつけ、円を描くように、仔猫を撫でるような力加減で触れる…。

「ちょ、ちょっと! 変な…感じで、なんか ダメ…」 
「気持ち いい?」

手を止め、なぎさの表情を窺う。

「………」

赤面して無言で頷くなぎさ。

「やめようかな…」
「あの、…もっと して… 欲しい…v(ぽつり)」

小声になるなぎさ。

「そうなの…?」
「…うん。」
「へぇ~…」

うっすらと影のある笑みを浮かべるほのかに、ゾクリ背筋が冷たくなるなぎさ。

「でもさ…ほのか、こんな所じゃマズいよ…。」
「こんな所――って?」
「誰か来たら困るよっ!」
「………」
「………」
「それもそうね。」
「じゃあこうしましょ! 遅くなってはいけないし、今日はもう帰りましょうねv」
「――えっ!?」

てっきり何処かへ移動するとばかり思ってたところでの肩透かし。
まさかのほのかの言葉――
驚きの色を隠せないなぎさ。

「何?」

なぎさの返事が、さも不思議であるかのように訊くほのか。

「………」
「…あのさ、それなら、ほのかの家に行ってもいいかな?」
「あら、どうして?」

にっこり。笑顔で聞き返す。

「そりゃあ――… (もにょもにょ…)」

恥ずかしさのあまり口ごもる…。

「聞こえなぁ~いv どうかしたの?」
「だから… その、つづきをね…、そのぉ…」
「早く帰りましょっv」
 
スタスタスタッ… 
鞄を手にして廊下に出ると、いつになく足早に進むほのか。

「ほのかぁ~v 待ってよ~!」
「うふふふ…♪」
「お願い。いいでしょ? ほのかっv」
「どうしようかなぁ~v」

にこにこ笑顔のままで、ズンズン歩くほのか。
焦り顔で追いかけるなぎさ。

「そうね、ココでキスしてくれたら考えてもいいわv」

くるり振り返ったのは二階から降りる一階との踊り場。
下校時間からだいぶ経って人が少ないとは言え、まだ運動部が残っており、
人が通り掛かろうものなら目撃されるのは間違いない。

「………」

口をへの字にしてほのかを見つめるなぎさ。
それほど時間のかかるものではない。可能性から言えば大丈夫だろう。
口づけくらい二人はいつもしているし、ためらう理由はあまり無い。
でも、こっそり隠れてするのとは違い、もしも見られたら…
――そう思うと緊張の度合いが違ってくる…。

「どうするの?」

逆光で表情が読み取れないが、その声色は小悪魔の囁きにも聞こえる。

「ほ、ほのかはいいの? もし、誰かに見られても…」
「どうかしら… その時になってみないとわからないわねv」
「なぎさが嫌なら、私はそれでも構わないわ」

「 するッ !」

「さっき、ほのかに触れられてからすっごくドキドキしているんだよ」
「それなのに、ほのかは…」
「………」

うつむくなぎさ。
意を決すると、両手でほのかの肩を掴んで引き寄せ、

 ちゅっv

くちづけした――
ほんの数秒だったかもしれない。
そのままずっと離れたくない。でも、見られたら困るから離れたい。
相反する気持ちの葛藤の長さ分、ふたりはひとつになっていた。

「―――」
 
なぎさの手が離れると、背を向けるほのか。
恥ずかしさで火照っていた頬を両手を当てて冷やす。

「あの、ほのか? 何かいけなかったかな?」

心配になるなぎさに

「うふふ… いじわるしちゃってごめんね♪ なぎさ。大好きよvv」

向き直り、微笑むほのか。

「え?」

ちょっと驚くものの、いつものほのかの様子に安心する。

「これから家に来るでしょ、なぎさ」
「う、うん。ほのかがいいなら喜んでお邪魔するけど」
 「良かったぁ~。」

安堵の表情を浮かべる。

「ねぇ なぎさ、怒ってる?」
「全然。恥ずかしかったりしたけど、どんなほのかだってほのかだもん」
「ありがとうv なぎさが良かったらだけど、明日休みなんだし泊まっていく?」
「もちろんvv」
「これはぐずぐずしてられないね! 早く帰っていちゃいちゃしよv」
「もうっ なぎさったら…」


今度は、足早に前を歩くなぎさをほのかが追いかける形で、学校を後にする。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ツンツンのまま終えられない、ヘタレ作者です…。
ほのか攻めでちょっぴり「黒い」気がしましたが、いかがだったでしょうか?
書いているうちにそういう感じになってしまい、それもありかなぁと、こんな話に。
ハロウィンぽくないのは気のせいです。たぶん…。

 


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