ハヤテのごとく！ ２１巻発売ってことで、以前書いた話をＵＰ。
この巻に収録されている第２２３話。
海外旅行でミコノス島に来ている一行。
なりゆきからビーチバレーをハヤテがヒナギクと組んでするのですが、
それをふまえての想像です。
生徒会三人娘の朝風理沙の視点で
「ヒナギクを好きな事、秘密にしてるつもりの美希を
カワイイなこいつぅｗとイジる」話。
以前、某所に送ったものです。文字数1524
海外から帰って来てから少し経った後日談――
「何をニヤニヤ見てるんだい？」
カメラを手に、録画されている映像に見とれている美希に話しかける。
「………」
ふと見るとイヤホンしてるじゃないか…。声が聞こえていないようだ。
後ろから、ひょいっとカメラを覗き込む。…なるほど。
「美希もヒナのこと好きだよなぁｗ」
「ああ…、好きだｖ」
そばで聞こえた声に何気なく返事する美希。
「ほほぉ～ 言うねｗ」
「――んなっ！！？」
わたしの頭がすぐ近く。
肩の辺りにある事に気付いて、椅子から転げ落ちそうになって驚く美希。
イヤホンむしり取り、映像を止めて
「理沙ッ！ い、いつから居たんだ？」
面白いほど、慌てふためく。
「ん～、ついさっきからだけど？」
事も無げに答える。
「あぅぅ…////」
赤面する美希。可愛いな…。普段あまり見られない表情だ。
「あくまで、好きか嫌いかと訊かれれば、好きという事であって、え～と…――」
「わかってるって♪」
カラッとした態度で、詮索する気は無いんだと手をヒラヒラ振って話を流す。
「それ、この間のビーチバレーのだろ？ 良く撮れてるじゃないか！」
「そりゃあ、抜かりはないッ！」
胸を張る美希。
「始めは調子悪いのか？
どうしたのだろうと心配したものの、ヒナはやっぱりヒナだったな！」
とても満足げ。
「あの脱ぎっぷりは驚きつつ、感心したよ」
「あぁ、とってもヒナらしいかった！」
「ヒナの水着姿、まさか見られないんじゃないかとオロオロしたものの、
こうしてガッチリ記録させてもらった！ これは永久保存版にしないとな！！」
カメラをギュッと抱き締める美希。
よっぽど嬉しいみたいだな。
「私がどうしたって？」
不意に現れる我等の生徒会長。
「おぉ ヒナか。今、この間のビーチバレーの話してた所なんだ」
「もうっ その話はしないでよ。いい思い出じゃないんだから…」
プイッとそっぽを向くヒナギク。
「気にする事ないぞ。
胸は大きければいいってものじゃない！『ナイチチ』でもいいじゃないか」
フォローする美希。
「良くないわよ！ せめてもう少し… こう、ねぇ？」
そんな訴えるような目で見られても困るんだが…
「ま、これから大きくなる可能性も無いわけじゃないだろ？
まだ、気を落とすのは早いんじゃないか？」
我ながら苦しかっただろうか…？
「貴女はいいわよね。」
ジト目のヒナギク。目線がわたしの胸に吸い込まれる。
「それはそうとヒナ。どうしてココへ？」
不思議そうに尋ねる美希。
「今日の分の仕事片付いたから、一緒に帰ろうと思って来たんじゃない。
約束してたでしょ。 忘れてた？」
「いや、部室にヒナが来るとは思わなかったんだ」
「まぁね…。千桜や愛歌も手伝ってくれた分早く終わったわ。
教室にいないから探しちゃったわよ！」
「じゃあ、帰りましょ！」
「うん…ｖ」
カメラを鞄に突っ込みヒナギクの横に並ぶ美希は、うきうきしてるのがよくわかる。
「理沙も途中まで一緒に来る？」
気を遣ってくれるヒナギクだが…
「ん？ 邪魔しちゃ悪いし遠慮しとくよ」
ニヤリと美希を見て答える。
「こらーっ！」
赤くなって抗議する美希だったが、口笛吹いてとぼけるわたし。
「？？」
ポカンとしてから
「またね♪」
軽く手を振って出て行くヒナギク。
「あぁ、また明日」
手を上げ見送る。
出口で足を止めると――
「……ありがとう」
ポツリと小声で呟き、美希も部室を後にする。
一人取り残されるわたし。
さぁて、帰るとするか…
美希の気持ちが伝わる日が来るのだろうか…？
ヒナもだいぶ鈍かったりするからな…
本人が良ければ相手の性別は関係ないかもしれない。
恋をするって素敵だよな～
しかし、わたしにゾッコンのはずのハヤ太君から、全くアプローチが無いのだが。
どういうことなんだ？ おっかしいな～
案外、美希の気持ちを知りつつも他言せずにいてくれそうな気がするんですよね。
自分の理沙のイメージは、ちょい姐御肌かもしれない…。
少し改行の辺りを変更しました。
